2000年2月26日<土>02時53分
懐かしのSMビデオ劇場5「美畜W 天使のはらわた」(アートビデオ)
この作品のキーワードを3つ上げるなら「古い日本家屋」「冬服のセーラー服」「白いスリップ」と思います。作品全体に流れる雰囲気も淫靡な暗さがあり、まさに日本のSMビデオの決定版と言って良い作品です。しかし、肝心の発売年については自信がありません。おそらく87年の作品と思いますが、86年に見た記憶もあります。
主演は小泉ケイ。Dorachan(http://i-dic.dorachan.com/)で調べたら「身長 154cm 体型 B81cm W60cm H83cm」とあり、生年月日は書かれていませんでした。主演作はこの作品と「美少女・監禁・事件 猟奇コレクター6」の2本だけです(ついでに書くと彼女は『濡木塾』のモデルにもなっています。こちらは88年の発売です)。しかし、この2作品によりSMビデオ史上忘れてはならない女優のひとりとなりました。完璧な美少女というわけではなく、スタイルも良くありません。ただ長い髪とセーラー服が良く似合い、熱烈なファンが多いと思います。我慢強く、苛酷な責めにも良く耐え、この作品の最大の魅力は小泉のかわいらしさと責めのきつさのアンバランスさにあります。
ビデオは叔父(黒田透)と娘(小泉ケイ)のSM遊戯を描きます。冒頭、老婆のナレーションでふたりの爛れた関係が説明されます。その雰囲気から暗く、最後は小泉が性器に鋏をつっこまれて殺されるという設定も暗いです。当時はこういう暗さとSMファンのうしろめたさがマッチし、多くのファンの支持を得たのでしょう。
責めのパートは大きく分けてふたつのパートに分かれます。全裸の小泉を責める前半、セーラー服の小泉を責める後半。このビデオは昔物語風にストーリーが進み、その都合から前半と後半の責めが逆になっています。したがい、SMビデオとして楽しむのなら後半を先に見るのが正しい見方と思います。責めの内容も後半の責めから説明します。
(セーラー服での責め)
今では見られなくなった白いリボン付の黒いセーラー服姿の小泉が後ろ手上下胸縄縛りに緊縛されて正座しています。そこに顔中包帯、らくだのシャツに股引姿の黒田が現れ、縄尻を梁に掛けて小泉をつま先で立たせます。スカートは膝下20cmの長いもので、白いソックスがまぶしく哀れです。黒田は背後に回り、小泉の性器をスカートの上からまさぐります。小泉の息は荒くなり、よろけます。スカートをまくると白いスリップが現れます。セーラー服と白いスリップという取り合わせも今では見られなくなりました。黒田はスカートとスリップをまくり、白いパンティの上から性器を愛撫します。この辺りから小泉の口から喘ぎ声が漏れ始めます。黒田は墨と筆を取り出し、お尻を包むパンティに「美畜」と書きます。そして筆でパンティの上から性器をなぶると、小泉の声は本格的になります。黒田はパンティの上から性器を舐め、口中墨だらけにします。小泉は喘ぎ声を出しますが、表情には苦悶に近いものがあり、黒田から逃げようとします。この辺りの流れは黒田の
独壇場でしょう。
黒田はパンティを脱がし、丸平型鞭でお尻を責めます。鞭はかなり強く打たれ、薄く「美畜」と滲んだ小泉のお尻が赤くなってゆきます。続いて黒田は丸平型鞭を小泉の性器にあて、激しく揺らします。このシーンは好きなシーンで、何回かSMクラブでまねしたことがあります。小泉の反応も秀逸で、苦痛と快楽に悶える様子が良く出ています。
黒田は鋏で小泉のセーラー服の胸の部分を切り取り、乳首を露出させます。黒田が「おっぱいだよ、おっぱいだよ」と言いながら服を切り取って行く様は鬼畜迫るものがあります。小泉はM字開脚で吊られ、SMビデオ史上名シーンのひとつである性器への直接鞭責めがはじまります。
M字開脚で剥き出しになった性器に黒田は指をつっこみかきまわします。「熱いよ、久美子(小泉の役名)、熱いよ」という科白が場を盛り上げます。指を離し、九尾鞭で小泉の性器を激しく叩きます。ばっしという残酷な音、鞭による風で揺れる小泉の髪、小泉の叫び声。これこそ責めと思いました。責めは鞭、指、筆と交互に続けられます。このシーンに初めて接したときは夢を見ているようでした。黒田は吊ったまま小泉を犯します。
(全裸での責めのシーン)
全裸で後ろ手亀甲縛りで緊縛された小泉が畳の上に仰向けに寝かされています。黒田は赤い蝋燭を取り出し、足から段々と上半身に蝋涙を垂らして行きます。小泉の反応が、また秀逸です。逃げようと縄で曲げられないように縛られた脚を上下に揺らす仕草に、責めから逃げられない少女の悲しさが良く出ています。乳首が蝋涙に覆われ、肩から首にかけて蝋涙を垂らされた段階で蝋燭責めは一旦中止されます。
黒田は丁寧に小泉の乳首を覆う蝋涙を取り除き、愛おしむように乳首を舐めます。ところが、これは続くクリップ責めの効果を高めるためのものでした。鉄製のクリップ2個がピアノ線で繋がれ、小泉の乳首を咬みます。彼女の乳首は小さく、その可憐な乳首を残酷なクリップが責めます。小泉の表情は苦痛でゆがみます。クリップには鈴が付けられていて、その音と小泉の泣き声がなんとも言えない被虐美をかもし出していました。
続いて、電気責めとなります。2本の棒型の端子を使用し、1本は膣付近に当て、もう1本で小泉のクリトリス等を責めます。端子が触れるたびに小泉はのけぞります。黒田は「行くよ、行くよ」と言いながら、なかなか責めません。こう行った間の取り方も今のSMビデオにはないように思えます。さらにこの時の黒田の科白「悪い叔父さんだね。久美子をこんなに苛めて」、「どうしよう、久美子、おかしくなっちゃう。あんまり、久美子を苛めないで」と、責められる側を代弁するような科白にはかなり興奮しました。特に後者の方の科白はその後SMクラブで良く使わせてもらいました。
最後はこんなのが入るのかと思われるくらい極太のバイブで小泉は責められ、全身に再び蝋涙が垂らされます。最後に小泉はイカされ、ぐったりするのでした。
このほか、この作品には浣腸責めもありますが、このシーンは最後の方でイメージ的に出るもので短時間です。これを残念がる人も多いと思います。
いずれにせよ、この作品はアート黄金時代のSMビデオ史上に残る名作と思います。アートビデオクラシック「泣き濡れの被虐花たち