今回はアカネさんに「被虐の女戦士1、2」を紹介していただきます。この作品は96年の秋に発売された上下2巻2時間の大作で、栗田もも(画像左)、藤岡未玖など4人の出演女優、「ヒロイン、コスチューム、拷問、格闘」と魅力的なキーワードで人気を集め、なかなかレンタルできなかったのを覚えています。
SMビデオにおいて、ヒロインモノはひとつのジャンルを確立していると思います。シネマジックの「被虐の女戦士」は5巻まで発売されていますし、「緊縛忍法帖」も3巻、他に「怪盗美姉妹」という女泥棒を題材とした作品も一種のヒロインモノでしょう。死夜悪では小室友里主演の「女豹」も人気を集め、ギガではヒロインものでひとつのレーベルを作っています。このように我々がSMヒロインモノに惹かれる理由は何でしょうか。おそらく子供のとき「プレイガール」「キーハンター」「Gメン75」といったサスペンスドラマのなかでヒロインが拷問に掛けられそうになったとき、ヒーローが現れ救出してしまう。SMヒロインモノは、子供のときに受けたそんなストレスを一気に解消してくれるような気がします。

「被虐の女戦士」の出演女優は以下の4人で、4人ともSMビデオファンにはお馴染みの女優でしょう。

     葉山美妃 (長女:ユミコ)
     野口由香 (次女:サエ)
     栗田もも (3女:まい)
     藤岡未玖 (敵の女ボス:アサミ)

4人ともそれぞれ独特の魅力を持っています。
葉山美妃はアカネさんのお気に入りではないようですが、「課長の愛奴」に主演し、水平吊り責めでクリップ責めを受け号泣していました。またバイブ責めのときの嬌声も魅力があると思います。
野口由香はどちらかというとマイナーな女優で、スープの取れそうなガリガリの体型、エラが張っていて美貌という点では落ちると思います。しかし、どことなく雰囲気があり、特に縛られるととたんに良い表情をします。
栗田ももは人気AV女優で、SMでは他に「インモラル天使」に主演しています。お人形のような表情とのどの奥から絞り出されるような喘ぎ声が魅力です。この作品の主演は栗田ももと言って良く、白いレオタードで藤岡未玖と格闘するシーンは彼女のかわいらしさが良く出ていました。
藤岡未玖はAV女優でもっとも長身(167cm〜175cm諸説あり)として有名です。SMビデオ「背徳の絆」「被虐のエクスタシー」にも主演し本格的に責められています。ただ、風貌・スタイルはM女というよりは女王様の貫禄です。この作品では敵ボスというキャラクターで悪役が似合っていました。

監督は川村慎一。名作「生贄の季節」(島崎里矢)、心理SM劇の傑作「奴隷姉妹3」(篠原真女 小野美晴)に見られるように、丁寧な演出が特色です。ただ、ストーリーというか責めまでの段取りを重視しすぎて、SMビデオとしてはタコビデオが出来てしまうという傾向もありますが、「被虐の女戦士」は責めも充実していて、SMビデオとして見ても第一級の作品に仕上がっています。

 

では、以降、アカネさんにお願いします。

 

懐かしのSMビデオ劇場第9回「被虐の女戦士 1、2」

 

 4人の一流女優を使っての作品で、ストーリーものの大作です。
 責めは、鞭とバイブのシーンが多く、ファックシーンがあるのは栗田ももだけ。蝋燭責めや浣腸、放尿といったシーンはありません。しかし、ストーリーはしっかりしていて、これに川村監督の丁寧な演出が加わり、いずれの責めもバリエーションにとんでいます。
 ただ残念なのは、葉山美妃の演技の下手なこと。周りがよいだけによけい目立つ棒読みの連続。主人公に位置する役柄だけに、作品を半分壊しています。また、川村監督のミスになると思いますが、リーダーであり一番しっかりして心強い存在であるはずの彼女が、3姉妹中、もっとも淫乱っぽいというのは、明らかにこの作品に適しておらず、残念な演出でした。栗田や野口や藤岡は、屈辱感に苦しむ表情をうまく出しているのに、葉山にはそうした表情が少なく、「もっと」とおねだりするシーンもある始末で、「女戦士」という肩書きとはほど遠いものでした。それと葉山のバストは、横にたれた感じで、縛りには向いていない形だと思います。その点もマイナス要因だと思います。目も離れているし…。
 藤岡未玖がそうであったように、葉山もしっかりとした演技で、屈辱にあえぐ姿を見せてくれていたら、もっともっと評価の高い作品になっていたでしょう。

(導入部分)
 「ユニバーサル芸能」という、表向きはアイドルを養成する学園があります。しかしその実態は、ここに若い女性を誘い込み、調教して海外へ売り飛ばすという悪徳組織です。
 こうした組織をつぶすために結成された3姉妹の女戦士がいて、司令によりこの組織の実態とその証拠をつかむため潜入します。そして、2女(野口)がその現場を見つけ、証拠写真を撮ります。しかし、写真撮影に必死になっているところを敵にみつかり、「何者なのか」と拷問にかけられます。このような口を割らせるための拷問は、辱めるとか苦痛を与えるという責めとは違う興奮を与えてくれます。
 服をはぎ取られ、最初から下着として着ていた全身網タイツのみの姿にさせられます。そして後ろ手に縛られ逆さ吊りにさせられ、鞭責めを受けます。鞭はやや軽めですが、なんと言っても逆さ吊り自体がすでにきつい拷問であり、野口は自然ににじみ出る汗を流しながら「苦しい…」と声を絞り出します。この状態は5分以上続いており、どう見てもマジで苦しんでいるシーンでした。

(2女(野口)へのバイブ責め 1)
 本作での責める男性側は、速水健二、日比野達郎、奈加あきらの常連組3人と、変態医師と言える1人(男優名知らず)、そして手下の若い男性が2名です。これに「ボス」と呼ばれている藤岡未玖が加わります。常連組3人と藤岡にはあまり上下関係はないようでしたが、一応「ボス」が上にいるような感じです。
 さて、捕まった2女(野口)には、速水に鞭を打たれながらのきつい逆さ吊りの責めを耐えたものの、次の責めが待っていました。ぐったりした彼女は、手錠をかけられ、手はバンザイの格好、足は開くように固定され、水をかけられます。女ボスの目の前で、手下の男性が彼女の股間をまさぐります。すると、そこからバイブが出てきました。そのときの歯を食いしばって、屈辱に耐える野口の表情はとてもよかったです。
 「こいつ、こんなもの入れてますぜ」とボスに卵型バイブを見せ高笑いする手下の若い男。しかし、それを見たボスは怪訝そうな顔をして「ちょっと見せてみな」とバイブを手に取り、そして踏みつぶします。するとその中には発信器が。
 自分のあそこに発信器を忍ばせて潜入したいたという設定は、いかに訓練された女戦士たちで、またいかに危険な任務であるかを表すのに非常に効果的であったと思います。
 不安げに壊れた発信器を見つめるボスとは対照的に、そんなことはあまり気にせず、極太バイブを入れてもてあそぶ手下たち。しかし、このバイブ責めのシーンは短く、野口の反応がよかっただけにもっと見たいシーンでした。 

(2女(野口)へのバイブ責め 2)
[ここは西村さんお願いします]網タイツで後ろ手上下胸縄に緊縛された野口はうつ伏せに、お尻を突き上げるような格好で拘束されています。性器には熊ん子型バイブを突っ込まれ喘ぎ声が漏れています。そこに変態医師が登場し、小壜に入った液体を掛けながらバイブのピストン運動を始めます。野口は尻を自然に揺らし、エクスタシーが近づくにつれ声を高くしイッテしまいます。野口の反応も良く、時間は短かったですが、悪くないバイブ責めシーンと思いました。網タイツは野口の貧弱な身体を隠し、色気を与えるという効果を出しています。

(2女(野口)への電気責め)
2女(野口)はバイブ責めの後、電気責めを受けます。このシーンについてですが、変態医師がスイッチをひねるたびに「ふ−ん」と力を入れるように鼻息荒く踏ん張ってます。演技だからと言えば目もつむるべきところなのでしょうが、まあスイッチをただひねるのに踏ん張る人はいないはずです。あれが野口に「今、もだえなさい」と指示でしているものだとわかっちゃうとちょっとしらけるシーンかな、と思いました。
 今は、低周波の電気マッサージ機(タモリクラブで、モデルをそれでいじめていたのに興奮しました)があるから、そういうのでマジで責めて欲しいものです。一時期、話題に上がった青山ゆかりの作品では、マジの電気椅子に興奮しましたが。

(3女(栗田) VS 女ボス(藤岡))
 自分はもう一人前だと思っている3女(栗田)は、単独で敵に潜入して、姉の救出に向かいます。ここで栗田は、男性相手に格闘シーンを繰り広げますが、なかなかさまになっていました。場面によってはスタントを使っているようなシーンもありますが、違和感はありません。 
 栗田は、全裸で檻に入れられたぐったりしている姉を見つけますが、すぐに敵に見つかってしまいます。4人の男性に囲まれては勝ち目はありません。その場で服をはぎ取られると、下にはまばゆいばかりの白いレオタードが。そして、女ボスと1対1の対決に移ります。鍛え上げられた肉体を持つ女ボスに、3女はまったく歯が立たず、裏返されるとプロレス技の逆エビ固めにかけられます。
 ここからの責めはほとんどが「演技」です。SMビデオは、演技の中でも責めのシーンはマジでやっていることが多いのですが、ここではウソのシーンがほとんどです。これをどう見るかは意見が分かれるところかもしれませんが、多くの人は物足りなさを感じるのではないかと思います。
 さて、逆エビ固めの次は、首4の字固めです。この辺の藤岡の責めを見ていると彼女は女子プロレスでやっていけるのではないかと思えるくらい壺に入った責めを見せています。首4の字固めで完全にのびた形になった栗田へ、今度はお腹にパンチ一発(効果音入り)。そして股間を踏みつけます。えぐい責めですが、ここも演技でマジには責めていません。続いて股間へのパンチ。効果音を入れてごまかしていますが、やはりウソのシーンです。そのあとは、長い爪を立てるように胸を鷲掴みにする責め。栗田の身体が持ち上がるくらい鷲掴みして引っ張りますが、ここも演技でした。
 そして、女ボスは栗田のネックレスに気がつき驚きます。「何で、何でよ」と叫びます。それは、彼女が昔レズで、愛していた女性にプレゼントしたものと同じだったからです。

(3女(栗田)への拷問)
 女戦士の長女(葉山)と女ボス(藤岡)は、学生のとき同じ剣道部でレズだったのです。そのとき藤岡が葉山にネックレスをプレゼントしていたのでした。それを栗田が付けていたことから、藤岡は自分の敵の正体を知ります。
[以下、「くすぐり」から、女ボスによるバイブ責めまで。西村さんお願い]白いレオタードで両手を広げて立ち姿で拘束された栗田は変態医師の羽根責めを受けます。羽根は栗田の脇の下、わき腹を舐めます。栗田の嫌がる演技が良く、個人的に好きなシーンでした。
そして栗田は一旦拘束から解かれ、レオタードを脱がされて全裸にされます。そのときの栗田が乳房を隠そうとする様子が可憐です。栗田は前手を手錠に掛けられ、後ろ向きに拘束されます。藤岡が鞭を持って登場し、栗田の背中とお尻を責めます。栗田はあー、あーと叫びます。涙を見せるわけではありませんが、栗田の悶え声は迫力があります。「AV女優」(永沢光雄著・文春文庫)によると栗田は歌がめちゃくちゃ上手く、とくに「暴れ太鼓」といったド演歌が得意らしいです。したがって、声量もあるのでしょう。鞭責めの直後、日比野が現れ栗田はそのままの格好で後ろから犯されてしまいます。この作品唯一のファックシーンですが、あまり印象に残りませんでした。
その後、栗田は上手に縛られ、仰向けに診察ベッドのようなものに固定されます。股縄を施され股縄で下半身が吊られてゆきます。藤岡は栗田の勃起した乳首を黒いマニキュアの指でつねったり、舌で愛撫しますが、このときの藤岡の表情が楽しそうで、彼女に堂々たるレズ・サディスティンの雰囲気を与えています。藤岡は栗田の舌を吸い、熊ん子バイブを舐めさせ、バイブを下半身に持っていきます。栗田の喘ぎ声は股縄責めのときよりも明らかに変わっています。おそらく演技でしょうが、イッタときに見せる痙攣も可憐でした。ただし、私の場合、栗田が大好きなので、若干評価しすぎているかもしれません。(『被虐の女戦士1』はこのシーンで終了)

(思いでのレズビアン)
 剣道着を着ての葉山と藤岡のレズシーン。色気のない役の藤岡ですが、このシーンはまずまず可愛らしかったと思います。

(長女(葉山) VS 女ボス(藤岡))
 妹たちを助けるため適地に乗り込んだ長女(葉山)でしたが、人質を二人も取られていては勝ち目はありません。
 縄で股間を締め上げられもだえる野口栗田を目の前にしながら、あえて因縁の藤岡との一対一の対決に。一進一退の攻防の末、ついに葉山は、女ボスを追いつめます。が、葉山に情が入り、とどめを刺す前に手が止まってしまいました。さらに二人の妹が人質とあっては、葉山も敵の調教の餌食になるしかなかったのでした。
 こうして3人の女戦士が責められることになるのですが、すべてにきちんとした理由付けがあって、よく練られたストーリーだと思いました。

(長女(葉山)への鞭打ち)
 とらえられた葉山も調教されることに。赤いキャミソールとパンティの葉山は丸太で組まれた鞭打ち台のようなものに後ろ向きに拘束され、お尻を鞭で打たれます。
 責めの構図は良いのですが、鞭を打たれているときの葉山の表情が見られず、葉山の表情を見ているときは鞭を打たれている場面が見られないというアングルだったのがちょっと残念。目の前で、同時にバイブ責めを受けている栗田の表情ももう少し見たかったところ。
 速水は、元愛人を目の前に思い詰めている藤岡にも鞭を打つように強要します。複雑な表情で鞭を打つ女ボス。
ここはストーリーものらしく、よいシーンでした。

(女ボス(藤岡)への鞭打ち)
 葉山を助けようとする藤岡。「やっぱりまだ惚れてるみたいね」と言うセリフがかっこいいのですが、それに対する葉山の演技の下手のこと。見てる方が恥ずかしくなっちゃいます。
 しかし、女ボスの裏切りを予測していた男たちに見つかり、ついには女ボスも調教されることになります。 
 両手、両足を鎖で、大の字のように後ろ向きで縛られ、速水による鞭打ちです。それと同時に、葉山へのバイブ責めも行われています。葉山への喘ぎ声のする中、ハードな鞭責めです。ここでは、画面に映っていないところで葉山を実際に責めているわけで、この辺は贅沢なカメラワークだと思いました。もちろん、後のシーンに関連していて、必要な構図でした。
 さて、藤岡への鞭責めですが、これがかなりハードです。途中、葉山へのバイブ責めのシーンに変わる場面があって、そのわずかの間休んでますが、トータルで100発は超えてました。『SM女優』の原田美江は60数発打たれて半失神状態、『インモラルハート』の妃ゆりも数十発で悲鳴を上げて号泣してました。果たしてSMビデオの鞭打ち記録は何発でしょう。
 ともかく、藤岡未玖はかなり我慢強く、狂乱することなく耐え抜きました。と言っても、途中で足はガクガクになり、まともに立てなくなって両手に体重がかかったために、ついに鎖が支えきれずに外れるというハプニングが生じるくらいのハード。それでも撮影はストップせず、倒れ込んだところへさらに鞭は打たれ続けました。歯を食いしばる藤岡の表情は、残念ながらそそられるものはあまりなかったのですが、拍手を送りたい気持ちになるシーンでした。
 同時に行われた葉山へのバイブ責めのシーンは、構図は素晴らしかったのですが、責められた女優のスタイルに問題があり(目とバストが離れている)、興奮度は少ないシーンでした。

(長女(葉山)と3女(栗田)へのバイブ責め)
 完全に調教された葉山と栗田を、全裸で向かい合うように机の上に縛ってのバイブ責めです。ストーリーがなく、単にこのシーンがあるだけでしたら並のシーンだと思いますが、本作においては、このシーンは作品を壊しています。それは葉山があまりにも「淫乱娘」と化していることです。こんな危険な任務を任せられる女戦士が、このくらいの調教で「入れて〜」とおねだりするのはあまりにもおかしいです。葉山は、自分の役柄というものを把握できていません。まあ、監督の責任でしょうけど。

(女ボス(藤岡)へのバイブ責め)
 本作、屈指の名場面です。
 変態医師によって電気責めを受け、媚薬をたっぷり塗られた藤岡へのバイブ責めです。なお、電気責めなどのシーンは実際にはなく、セリフの中で変態医師が話していました。速水と日比野と変態医師に囲まれて、後ろ手に縛られてギャグを噛まされた藤岡を、階段に座らせ、股を大きく広げて、ローションを垂らしつつのバイブ挿入です。
 ここでの藤岡は、今までのいかつい女ボスの表情ではなく、女として表情を見せており、責められるまでのストーリーもきちんとあることから、まさに調教され、墜ちていく表情がよく出ていて、興奮するシーンでした。
 藤岡は、何度かバイブを突き上げるように押し込まれ、額に汗をにじませながら完全にいってしまいました。

(3姉妹への鞭打ち)
 3姉妹をそれぞれ鎖で両手をバンザイの格好で縛っての鞭責めです。鞭を打つのは速水と日比野。このシーンはマジです。
 まずは3女(栗田)へやや集中的に打ちます。栗田は鞭には弱いのか、かなり早くからギブアップ状態。先に、藤岡に鞭を打たれても、やや余裕がありそうなシーンがありましたが、やはり女と男では力が違います。悲鳴を上げ、ついには左手の鎖がはずれて座り込んでしまいます。その分、二人の姉が鞭を打たれます。藤岡のシーンほどではないものの、ハードなシーンでした。
 個人的には野口のもだえる表情が好きですが、髪の毛で表情が見えにくかったのが、ちょっと残念でした。

(3姉妹と女ボスの縄渡り、鼻責め)
 4人の女優をこぶ付き縄を渡らせるシーン(蟻の綱渡り)。先頭の栗田ももが、やはり一番かわいい。緊縛姿も美しい。そのあとは鼻責め。4人4様の鼻責めで、ボンデージシーンとして楽しめるシーンでした。
 なお、写真集などを見ると明らかにカットされているシーンがあります。それは3姉妹をM字開脚に縛って、その股間を藤岡が舐めて回るというシーンです。写真を見る限り、素晴らしい構図で良いシーンになっているはずなのに、カットされていて残念です。

(エンディング)
 最後は警察が現場に強襲して、組織をつぶしてジ・エンドです。しかし、この場面で一つ気にかかるシーンが。それは警察がなだれ込んで、手下たちが抵抗しているにも拘わらず、奈加と思われる男は、ソファに座って警察の突入を余裕で見ているのです。
『被虐の女戦士4』でのどんでん返しのように、この作品でも潜入者がいたということなのでしょうか。謎のエンディングです。
 なお、調教された女たちは、完全に雌犬となりさがり、その場を離れようとしない様子を見せながらの終了となりました。SMビデオにありがちな「そんなばかな」的なラストです。

(新SM作品 ←「被虐の女戦士」とは関係ありません)
 この基本設定で、このストーリーだと、まずあり得ない3姉妹と女ボスの末路で、そこまで精神崩壊する人はいないでしょう。SMにやみつきになる人はいるでしょうけど。
 しかし、実際にそこまで精神崩壊していく女性の姿を描ける脚本家がいると思います。それは、「高校教師」などを描いた野島伸司です。彼にSM作品を描かせたら、かなり深い陵辱作品を作り上げることができると思います。ただし、それは私が「大石ひかる論」のラストで描いている危険領域のSM作品です。「心が痛くなるような」作品をSM作品として仕上げたら興奮するでしょうね。でも、やはり危険領域でしょうね。