懐かしのSMビデオ劇場23回「インモラル天使3」(シネマジック)主演:西尾美樹

そういえば「懐かしのSMビデオ劇場」に「インモラル天使3」を書くのを忘れていました。昨年行った「20世紀SMビデオベスト297」では一位を決戦投票で「ボディコンハンター4」に譲ったものの、多くの票を集め、10年前の作品とは思えぬ人気の高さでした。今回、改めて見なおしてみましたが、古さを全く感じさせない傑作であることを再認識しました。
その秘密は
1)西尾美樹の魅力
2)単純なストーリーと責めの濃さ
に集約されます。要は、どういう設定の下で、どんな女の子にどんな責めを行い、女の子がどんな反応をすれば、面白いSMビデオが出来るかという教科書のような作品です。10年前に作られたこの作品を凌ぐビデオが、まだ「ボディコンハンター4」1作だけというのは、この作品の偉大さを理解するとともに、何となく寂しい感じもします。
主演の西尾美樹は1972年10月31日生まれ。19才(当時)よりも幼く見える表情が制服のブレザーに良く似合い、まさに受難のヒロインという感じでした。サイズはT160cm B90cm W61cm H84cmとかなり完成されたプロポーションで、幼い顔立ちとのアンバランスが魅力と思います。SM作品は他に「囚われた転校生 学園生娘狩り」(92年アートビデオ)がありますが、この作品には遠く及びませんでした。
男優は速水健二と中野D児。演技をしているというよりも、楽しそうに西尾美紀を責めていました。彼女を見て、サディストの血が騒いだのかもしれません。
設定は誘拐された女子高生(西尾美樹)が男たち(速水健二・中野D児)に凌辱の限りを尽くされ、イカされ泣かされるという単純なものです。自然に作品は責め一色になります。

責めの内容は
1)凌辱
誘拐された西尾は速水にブレザーの制服のまま後ろ手上下胸縄縛りで緊縛されます。猿轡を噛まされ、胸をはだけられ大きな乳房を露にされます。スカートの下には黒いパンストに包まれたパンティが見えます。西尾は「いや、いや」と抵抗しますが、パンティを脱がされ、犯されてしまいます。西尾の抵抗はだんだんと弱くなりますが、西尾は犯されている間、ずっと嫌がっています。また、犯す速水の楽しそうな様子が、西尾の運命を余計哀れにしています。さらに、当時からシネマジック得意のカメラワークが絵としても美しいシーンを作り上げていて、非常に優れた凌辱シーンとなりました。

2)バイブ責め
後ろ手上下胸縄縛りで緊縛されて床に転がされている西尾に、熊ん子バイブを持った中野D児が近づきます。西尾はまだ制服、スカートを身に着けていますが、パンティは脱がされ、乳房も露出させられています。中野はバイブを、西尾の大きな乳房に埋めるように突き刺します。ここで視聴者は西尾の乳房の弾力性を視覚的に楽しむことができます。その間も、西尾は「いや、いや」を繰り返します。すぐにバイブを挿入するのではなく、パンティを脱がされ、スカートを捲り上げられて責めを待つ乙女の不安を観察するというのはサディストの贅沢でしょう。バイブを挿入された西尾は深く息を吸いこみ、息遣いを激しくします。この息遣いに嫌だけど感じているという様子が良く出ていると思います。ただ、簡単にイってしまうのは少し不満でした。まぁ、これは贅沢というものでしょうね。

3)鼻責め
何となくお約束的フェラチオシーンの後、制服を再び着せられ、椅子に拘束されもがいている西尾が映ります。速水が後ろに回り鼻フックをかけます。鼻フックはかなり強く引っ張られ、西尾は身体を反らします。一方中野は西尾の乳房を露出させ、乳首をつねったり、鳥の羽根で乳首を責めます。羽毛から乳首が顔を出しますが、その乳首は固く感度が良さそうです。ときどき西尾の「痛い」という小さい叫び声が聞こえます。鼻責めの時間は結構長く、鼻責めの苦手な私は本来であれば早送りするシーンですが、乳首責めとの混合責めゆえ、結構楽しめたシーンでした。

4)鞭責め
ボールギャグを噛まされ、後ろ手上下胸縄立ち縛りで緊縛された西尾への鞭責めです。背中からの縄尻が天井に吊られているため、西尾は前屈の格好で立たされています。パンティはブラウンのTバックに変わっています。このパンティは以前掲示板で「女子高生らしくない」と話題になったことがあります。個人的には普通の女子高生だったら身に着けないような派手な下着をわざわざ着させられているということから、西尾がおもちゃにされているという状況がさりげなく表現されていて、むしろ好きでした。ここでは顔固さんの書かれた通り、西尾は若干内股の格好になっています。はやさんがコメントされていましたが、内股という格好は女性のなよっとした感じがして良いですね。以前から、この鞭責めのポーズは他の作品とどこか違うような気がしていましたが、この内股だったのかもしれません。
鞭責めはまず速水がお尻と乳房を中心に行います。手加減せずに叩いていると思いますが、西尾の反応は少し静かになっています。しかし、鞭責めは長時間続けられ、西尾は身体をのけぞったりしながら身体全体で苦痛を表現しています。この作品の良いところは責められているあいだ、西尾が「いや、やめて」と際限なく繰り返す点だと思いますが、残念ながら、鞭責めのシーンではボールギャグのため、その声が聞こえません。しかし、西尾のくぐもった叫び声、乳房を揺らしながら仰け反るボディ、ボールギャグからのよだれ、一筋の流れる涙等、優れた鞭責めシーンと思いました。また、責めの途中で中野がタバコの煙を西尾に吹きかけるシーンがあります。このシーンも西尾がおもちゃにされているという表現のひとつとして、効果的だったように思います。

5)蝋燭責め
確かアナルセックスがあったように思うのですが、あまり印象にありません。その後、西尾は全裸で後ろ手上下胸縄縛りで緊縛され、バスルームに連れていかれます。バスタブの中に入れられ、速水から何度も顔を水の中に突っ込まれます。診ず責めの後、びしょぬれの西尾は、速水に足でこずかれながら、横たえたままで別の部屋まで這わせられます。このシーンもいかにも刑場につれていかれる乙女という感じがして嗜虐心が刺激されました。
そして、SM史上屈指の蝋燭シーンとなります。速水と中野は蝋燭をそれぞれ2本ずつ持ち、合計4本の蝋燭から垂らされる蝋涙が西尾の身体を責めます。最も好きなのは「生贄の季節」(島崎里矢)の蝋燭シーンですが、これは、島崎が苦痛責めに弱く、転げ回りながら本気で号泣するため、迫力あるシーンとなっているからです。西尾の場合、蝋燭責めには基本的に強いと思います。島崎の反応を動とすると、西尾の反応はむしろ静です。しかし、西尾の少女らしい反応がシーンを嗜虐的にしています。激しい息遣い、「いやぁ、やめて」という叫び声。

仰向けに寝かされた西尾の乳房に大量の蝋が垂らされ、西尾は悶えます。そしてうつ伏せにされて、お尻を責められます。このとき、乳房は西尾の体重でつぶされ、乳房の上に積もっていた蝋涙は剥がれてしまいます。再びうつ伏せにされた西尾は、蝋涙に覆われてない乳房をまたもや新鮮な蝋涙で責められることになります。蝋燭は水責めの直後に行われるため、西尾はまだびしょぬれです。これにより、責めの連続性を効果的に表現されているのと同時に、おもちゃにされている西尾の惨めさを感じることができました。

以上、文章にしてみたら、絶対のお勧め作品であることを再認識しました。冒頭でも書きましたが、この作品はヒロインの西尾美樹の魅力に負うところが大きいです。と同時に、演出した川村慎一の手腕も評価すべきでしょう。責めのシーンはもちろん、責めを待つヒロインの不安さが全体的に上手に表現されていると思います。
しかし、この作品の視聴ですが、難易度がだんだんと上がってきています。ヤフーのオークションでも高値で取引されているようだし。2年前でも、名古屋で置いてあるレンタルビデオ屋は一軒だけでした。こうなったら復刻版の再販をシネマジックさんにお願いするしかないのでしょうか。