(最終更新日:2008年6月29日)

監督名鑑

       女優が美人で責めが充実していれば、良い作品ができるかというと
       そうでもありません。傑作を生むにはやはり監督の力が必要です。
       特に最近のSMビデオファンは「被虐の女戦士」のように、Vシネマ並
       の脚本と演出で作られた作品を求めるようにになってきました。
       このコーナーでは、SM作品を中心に活躍している監督を紹介し、それ
       ぞれの監督を「とりあえず悪代官さん」考案の評価方法で格付けします。
       なお、速水健二や黒田透のように、男優兼監督はリストから除きました。
       例によってうろ覚えの知識と知ったかぶりで書いていますので、間違い
       等ありましたら、
掲示板に書きこみ頂けると幸いです。

                 とりあえず悪代官式評価方法
                   S……何があっても全作品揃える(もちろん好みの女優の場合)
                   A……なるべく目を通すようにしたい
                   B……機会があれば見ても損なし
                   C……よほどの話題作でない限りパス
                   D……見つけ次第メーカーに抗議

 

○赤井鯉三郎(アカイコイサブロウ)
シネマジック「縄」レーベルの全作品を演出している監督です。2003年ごろから縄師兼責め師としても出演。「恥じらいの洗礼」(葵のあ)、「打擲願望の女」(平沢里菜子)、「女囚哀歌](宮咲志帆)、「恥泪の脱糞娘」(白瀬あいみ)でいい味を出しています。「縄」レーベルの第1作は「親指姫・乳責め昇天」。このビデオはタコビデオの中のタコビデオであり、当初赤井鯉三郎の評価はCでした。また、三枝美憂が主演した「緊縛の美憂」の中での赤井鯉三郎の印象も最悪でした。
したがい、縄師として登場した赤井鯉三郎は「緊縛の美憂」に登場した監督とは全く別人と思っており、新作情報ではずっと「中日の落合似のおっさん」として紹介していました。掲示板で、赤井監督自らが「中日の落合似のおっさん、それは私です」と書き込んでくれ、ようやく落合似のおっさんが赤井鯉三郎と分かりました。
現在、シネマジックのレーベルでは「縄」の質が一番安定していると思います。これは赤井鯉三郎の功績です。今後も活躍して欲しい、縄師、監督です。
【格付け】初期作品ではC。本人が出演するようになってからA。

 

○阿川優(アガワユウ)
「15時の訪問者・羞恥の刻印」(矢吹まりな)や「羞恥の午後」(桐島ももこ)といった傑作を作るかと思うと、「鴇色夫人恥辱の宴」(岡倉ゆうき)のように史上まれに見るタコビデオを作ってしまうという、どう評価して良いか判らない監督です。特徴としては責めに至るまでの段取りを大切にする監督で、責めの部分はあまり重視していないようです。したがって、肝心の責めの部分がなんじゃこりゃという作品が多いのも特徴です。「嫉妬狂い・哀虐」や「鴇色夫人恥辱の宴」はSMビデオだったのかお笑いビデオだったのか、良く判りません。ただ、彼の代表作「15時の訪問客」や「羞恥の午後」はファンが多く、ベストワンに上げる人も多いです。脚本が練られ、ドラマとしても良く出来ていて、責めのシーンもそれなりに見応えがありました。
大洋図書だけで活躍していたように記憶しています。大洋図書がSMを作らなくなってからは、とんと名前を聞かなくなりましたが、最近インディーズ(具映研)で「インターネット・オークション」という作品を監督していました。なお、この作品は女優の小山あかねがマグロでいまひとつ乗れませんでした。
【その他の代表作】「愛奴監禁・淫虐の夢魔」(水原美々・個人的にはタコと思うが、評価する人も)「哀恋花」(三浦あいか主演作品の中では最高と思うが、タコという人も)
【格付け】作品のばらつきが大きく、評価不能です。
(とりあえず悪代官さんのコメント)
大洋図書系列にて活躍し、多くの佳作を発表しています。
展開に無理がなく、何ほどのこともない責めでも見事に演出できる監督です。
たとえば芋虫這い。縛った女を転がして「ここまで這って来い」では、理屈づけが薄すぎます。彼は、「熟れた肌の疼き」でこう演出してみせました。
娘の進学問題をネタに悪徳教師が義母を縛って調教していくのですが、ある日玄関に来客があり、男は義母を縛ったまま応対に出ます。はじめは息を殺していた義母もそのうち玄関にいるのは我が娘で、しかも自分と同じようにこの男の毒牙にかかっているのだということに気づきます。それでいても立ってもいられず、自分から不自由な体をよじって玄関へと向かうのです。女の哀れがよく出ていました。
全体として、シーンからシーンへの移行にはかなりの神経が使われていますが、同一シーン内での編集にはやや雑なところも見受けられます。
私の目に狂いがなければ、縄師にはいつも濡木痴夢男を起用しているようですから、その指示音でも消しているのでしょうか。
作品を見た限りでは、縄師に振り回されている様子は感じられません。なお、阿川優は旧名を若角丸といい、やはり大洋図書に数本の作品があります。
【格付け】現在最もSに近い A
(Larryさんのコメント)
最近、ごくたまにしか出てこないLarryです。
私がいまだにNo.1の評価をしているSMビデオ、大洋図書の【15時の訪問者・羞恥の刻印】(主演:矢吹まりな)の監督は阿川優ですが、彼の演出がすばらしいと思ったのはこの作品だけです。タコビも結構作っています。例えば三浦あいか主演の【哀恋花】など。ただ、こういった作品は、女優サイドやメーカーからの制約のせいで、タコビになってしまったのでないかと思っています。阿川優自身はかなり有能な人なのではないでしょうか? そうでなければ、【15時の訪問者・羞恥の刻印】ほどの作品は撮れないはずです。
(とりあえず悪代官さんのコメント)
Larryさん、こんばんは。
勝手に名前を引き合いに出して、申し訳ありませんでした。(麗華さんのページで、西村さんの「川村と阿川がよい」という評価に対する「阿川優に一票!」という書き込みが印象に残っていたものですから)
しかし、「哀恋花」はタコビですか。阿川優は確かに凡作も出してますが、「哀恋花」はどちらかというと佳作の部類に入ると思うんですけど…。
西村さんの「三浦あいか主演作品の中では最高と思うが、タコという人も」っていうのは、Larryさんのことなんですね。
ほんでもって、「淫虐の夢魔」を「個人的にはタコと思うが、評価する人も」っていうのが私なんですわ、きっと。ね、>西村さん?
ところで、Larryさんは「熟れた肌の疼き」はご覧になってますか。
92年ごろの作品ですので手に入れるのは困難ですが、これをご覧になれば、阿川の評価はもっと上がるはずですよ。(私の一推し作品であります)
(西村のコメント)
>ね、>西村さん?
そうです(笑)。それと、お名前は忘れてしまいましたが、「淫虐の夢魔」の緊縛されてのフェラチオは名シーンとおっしゃる方もいました。私の場合、あの男優 平賀勘一がどうしても好きになれず、タコビとさせて頂きました。私の好きな水原さんの口に自分の臭そうなブリーフを入れるなぞ、持ってのほかです。
(Larryさんのコメント)
とりあえず悪代官さん、こんばんは。
>麗華さんのページで、西村さんの「川村と阿川がよい」という評
>価に対する「阿川優に一票!」という書き込みが印象に残ってい
>たものですから
そう言えばこんなこともあったような気もしますが、よく覚えていません。ただ、それが本当なら、「15時の訪問者・羞恥の刻印」だけでそう言う評価を下したのだと思います。川村慎一も数多くの名作を作っていると思いますが、それらの名作も細かいところにつっこみを入れたくなってしまうのです。「15時の訪問者・羞恥の刻印」はそう言うつっこみを入れられないほど完璧な作品でした。
>しかし、「哀恋花」はタコビですか。
「哀恋花」をタコビとした理由のひとつは、三浦あいかが最初からさしたる抵抗も見せないと言うことです。そして、従順にならざるを得ない理由というのも見いだされませんでした。やはり、嫌がり抵抗する様子を見たいです。彼女は、自分から進んで責めを受け入れるというわけでありませんが、何をされても素直に受け入れるという感じでした。
もう一つは責めの中にストーリー性が全くないことです。例えば、フェラチオを拒否したので鞭責めを受け、自ら進んでフェラチオをするというのならわかります。しかし、「哀恋花」の中のそれぞれの責めのシーンには、何の関連性もありません。マン拓をとられたり、バイブを入れられたり、フェラチオやファックもありますが、これらのシーンの順番を入れ替えても成り立つ作品です。最初の、三浦あいかに思いを抱く男が、遂に彼女を監禁するところと、最後の、二人が愛し合うようになると言うシーンがあるので、ストーリーが全くないわけではありません。しかし、その最初と最後のシーンをカットしてしまえば、単なる緊縛パフォーマンスビデオになってしまうと思います。
>ところで、Larryさんは「熟れた肌の疼き」はご覧になってます
>か。
いいえ、見ていません。この時代の作品、簡易パッケージにして再発売されたりしましたが、この作品は再発売されていないと思います。入手するのは難しそうですね。
>阿川の評価はもっと上がるはずですよ。
阿川のことは高く評価していますし、一番期待している(していた?)監督でもあります。それだけに、タコビを見せられたときの落ち込みも大きいです。「BIZARRE LIFE23 女教師 誘惑に爛れて」、「BIZARRE LIFE34 午前0時の生贄・愛欲懺悔」、「THE SCANDAL16 鴇色夫人 恥辱の宴」などにも期待を裏切られました。

(とりあえず悪代官さんのコメント)
Larryさん、こんにちは。
「哀恋花」と阿川優に関する大変興味深いレスをどうもありがとうございました。
Larryさんのおっしゃること、よく分かります。
ご自身の「Impressions」から見ても統一性のとれたご意見だと思いました。私も展開の必然性にはうるさいほうなので、判定基準には近いところもあります。
しかし、寅さん風にいうと、「それを言っちゃあおしまいよ」的なところもあって、流れを重視するあまり、角を矯めて牛を殺してしまっては何にもなりません。
したがって私は、全裸から着衣状態へ戻るなど、どう考えても順序がおかしい場合以外は不問に付すのもやむなしとしています。責めと責めとのつなぎの部分をもっと映してほしいと思うことはよくありますけど。(縄尻を取って別の部屋へ引き立てたり、次の責めのために縛り直す場面など)
私が「哀恋花」をよしとしたのは、一にも二にも女優を魅力的に見せることに成功しているからで、相対評価にて合格点ということなのです。龍縛の三浦あいかなんかは見る気も起こりません。しかも、龍縛のコンセプトは「縛られたなかで女から求める」なのだそうです。(メーカーに確認しました)
>やはり、嫌がり抵抗する様子を見たいです。
とのご意見、これは私も同じです。
阿川の作品では「ボディコンスレイブ2」に、いやがる女の抵抗を封じる意味合いで縛る場面がありますが、手首のみでした。彼のいたらぬ点は、むしろカメラワークや編集での細かいところにあると思います。
たとえば、(これはどの監督にも言えることですが)せっかくの緊縛フェラシーンをどアップで撮り、一般AVのそれと同じにしてしまうことが時々あります。
「嫉妬狂い・哀虐」など、設定自体がつまらないものもありますし、あきらかに演出を失敗しているものもあります。「女教師・誘惑に爛れて」では、父親が息子の家庭教師を縛って責めているところを息子が覗き見する場面で、息子の馬鹿面を何度もかぶせてしまったために、肝心の責めに集中することができませんでした。これは、テレビや映画での「目撃」を表現する常套手段で、つじつまも合っていますが、AVでは失敗と言わざるを得ません。現在、阿川優の監督作品は15本ほど持っています。
大洋図書の阿川作品は全部で20本ぐらいなので、かなり見てるほうだと思いますが、
私も上記のように気に入らないものが結構あります。それでも、他社の作品やほかの監督と比較するとやはり上位にきてしまうのでした。
(Larryさんのコメント)
とりあえず悪代官さん、西村さん、こんばんは。
>寅さん風にいうと、「それを言っちゃあおしまいよ」的なところ
これはまさにその通りで、細かいところにケチを付けていたら、見るビデオがなくなってしまいます。また、ストーリー性やシーンの関連性がないとダメだと言っていますが、そう言う作品でも興奮度の高い作品は多々あります。
例えば最近見た中で、咲山理沙主演「禁断の猟奇愛 悦虐縄人形 2」(アートビデオ)と言うのがありますが、この女優は美人でもかわいくもありませし、ストーリーと言えるようなものはない作品です。しかし、結構ハードに責められて、それに対する反応も非常に良く、見ているうちに咲山理沙がいとおしくなってしまいました。
いい女が責められて涙を流す、島崎里矢主演「生贄の季節」(シネマジック)などもお気に入りのひとつですが、こう言う作品は、脚本とか演出とかでなく、女優の魅力だけで成り立っている作品だと思います。
>「哀恋花」での三浦あやかは他のどの作品よりもかわいく撮れて
>いると思います。
グラビアで見ると、確かに三浦あいかはかわいいと思います。しかし、SM女優としては、上記の咲山理沙の方がずっとかわいいと思います。工藤ひとみ主演「悦虐縄人形」(アートビデオ)などを見ても言えますが、やはりSM女優として一番大事なのは、容姿より、責めに対する反応だと思います。
奇譚クラブで数多くの作品に主演したナオミも、顔、スタイルともにすばらしい女優でしたが、反応がイマイチのため、SM女優としての私の評価は島崎里矢に比べ、ずっと低くなってしまいます。まあ、ナオミの場合、彼女自身のせいと言うより、「責められることによって悦びを見いだすのがいい女である」というようなポリシーに貫かれた奇譚クラブの演出に問題があるように思いますが。彼女が他のレーベルの出てくれなかったのは、とても残念なことでした。
>責めと責めとのつなぎの部分をもっと映してほしいと思うことは
>よくありますけど。
こう言う作品を見たいですね。責めと責めの間が描かれていなくとも、そこを感じさせてくれる作品を見たいです。ほとんどの作品が、責めと責めの間を想像しようとすると、スタッフに「お疲れさま」などと言われて緊縛を解かれ、ちょっと休憩してから、「今度はこの服を着てください」と言われて着替えてから、新たに縄掛けされるような楽屋裏のシーンが浮かんでしまい、しらけてしまいます。
>龍縛のコンセプトは「縛られたなかで女から求める」なのだそうです。
こっちの方が、マーケット的にも成功すると言うことなのでしょうか? この掲示板の書き込みを見る限り、そう言う嗜好の人はあまり多くない気がするのですが。
>やはり上位にきてしまうのでした。
浜田ルミ主演「「BIZARRE LIFE34 午前0時の生贄・愛欲懺悔」(大洋図書)を見直してみたら、それほど悪くなかったです。タコビとけなすほどの作品ではありませんでした。この前見たのは3年くらい前だと思いますが、私の感性が変わってきているのかもしれません。

 

○秋山豊(アキヤマユタカ)
1999年西村私選SMベストビデオ「被虐の女戦士 3・4」の監督です。この監督も責めへの段取りを重視するドラマ派ですが、責めも軽視しないバランス感覚の取れた監督です。したがって、個室ビデオ屋のモニターを破壊したくなるようなタコビは基本的にはないように思います。また、女優の良さを引き出すのも得意で「隷獣伝説」では大石ひかるかわいらしさ、「被虐の女戦士」では藤森加奈子色っぽさを上手に表現していました。
【その他の代表作】「被虐のレースクイーン」(水谷あみ・実験的なSM喜劇。個人的には好きだが、失敗作という声も多い)「喪服奴隷」(篠原真女・緊縛された篠原の白い乳房が印象的。命令されて自ら乳房にクリップを付け、涙を浮かべるという珍しいシーンもあった)
【格付け】A
(とりあえず悪代官さんのコメント)
彼の監督作品を最初に確認したのは1994年だったと思います。
シネマジックから大作の監督を任されるなど、近年、評価を上げている人ではありますが、私的には相変わらずBランクの監督です。それどころか、ノアール作品の「大阪どれい」を見て、さらに評価を下げる結果となりました。
同作に出てくるあごひげをはやした小太りのおっさんが秋山だと思うのですが、SMの女王を使って作品を作れと、シネマジックから与えられた女優を生かせず、濡木の撮影現場でスカを食らい、雪村を頼って大阪へ行けば、S女の方を縛られてしまうという体たらく。挙句の果てには、この女と無拘束のハメ撮りまでやらかす始末です。そして、最も許せないのが、本編にないシーンをパッケージに堂々と紹介していることです。
本編未収録場面の写真掲載はままあることとはいえ、この作品では、ボールギャグ、鞭、剃毛、乳首責めなど、パッケージバック14枚の写真のうち、なんと、11枚が実際には出てこないシーンの写真なのです。
私などは、S女がM女の両乳首を割り箸ではさみあげ、ねぶりまわしている写真が気に入ったから買ったようなもので、詐欺にあったような気分になりました。
ノアールであるからして、ノンストーリーの展開やさかんに入るテロップなどはすべて黙殺しましたが、このようなインチキだけは断じて許せません。
VSナンバーのほうでは川村と見まがうほどの作品も作っているのですが…。
【格付け】B-

 

○有末剛(アリスエゴウ)[とりあえず悪代官さんの評価]
安定した実力を持つ古株で、自ら縄師も務めます。
大洋図書、桜桃書房、鹿鳴館、Kカンパニー等々、さまざまなメーカーから優良な作品を沢山出しています。かつてはシネマジックにも監督作がありました。
あちこちで監督をするだけあって、メーカーの意向をよく汲み、余計な脚色などはまずしません。それゆえに、淡白と評されることもありますが、出来不出来の差があまりないので、安定感はピカ一と思います。いわゆるクズを出さないタイプです。
また、有末剛は、縛りの過程を比較的きっちりと見せてくれる監督でもあります。猿轡もよく使用しますが、詰め物がはみ出していることが結構あり、かえって拘束感を弱めてしまうことがあるのが残念です。麻縄後手+猿轡ではじめて緊縛と認識する人間としては、この点の意識をもう一段高めてもらいたいところです。
大洋図書の「女校生監禁物語」や「ボディコン誘拐物語」(第七夜、第八夜)などは、クローバーという脚本家がついているので、代表作と呼べるかどうか分かりません。むしろ彼の本領は、未知のところにあるような気がします。無記名の古い作品で、マイナーレーベルであるにもかかわらず縛りがしっかりしているものがあれば、それは有末剛である可能性が高いと思います。
【その他の代表作】あそこに筆を挿入してお習字をさせる場面があったのは、確か「淫虐のメモリアル」(坂口奈々江)ではなかったでしょうか。シネマジックでの作品らしく、鼻責めなども取り入れていました。
【格付け】A
(Den.さんのコメント)
> 安定した実力を持つ古株で、自ら縄師も務めます。
昔、ビデ倫でXというレーベルを出してましたよね。駄作ばかりだったような記憶があります。その後はマイナーレーベルばかりであまり見てませんけど。
(やまやさんのコメント)
叶順子さんの「奴隷夫人順子」と言うのが「Xビデオ」から出ていたのを見たことがありますが、同じレーベルですか?この作品以降に何本か「Xビデオ」がSM系のビデオを出したようですが、全てタコビで「騙された、金返せ」が、率直な感想でした。
(Den.さんのコメント)
>同じレーベルですか?
そうです。
> 全てタコビで「騙された、金返せ」が、率直な感想でした。
まったく同感です。
(やまやさんのコメント)
かなり前に見た作品ですし、タコビでしたので、ほとんど記憶にありません。「奴隷夫人順子」については多少印象に残っています。
M女である叶順子が柱に立ち縛りされている所へ、SMの知識が全くない(と言う設定の)女性が連れてこられ、鞭で叶順子を打てと言われる。その女性がためらっているのを見て「早く打って」と叶が叫ぶ女性が嫌々鞭を手にして叶に軽く触れるように当てると「もっと強くぅ」と再び叶が叫ぶと言ったところから始まり、叶順子が主役ながら、その女性をM女に作り上げて行くのがこの作品にテーマだったと記憶しています。まあ、ランクとしてはBの下と言った所でしょうか。
他の作品ではタイトルも覚えていませんが、3人の女性が出演し、ベッドの上で3人同時にローソク責めのシーンになった時、一人の女性が急に拒否し始め、悪態をついてその場から立ち去り、部屋から出て行くのですが、ビデオはズーっとそのシーンまで収め、スタッフの一人が「Xビデオをなめんなよ」と言いながらその女性を追いかけて行くようなところまで収録されていたような、タコビ中のタコビがありました。
以上、記憶にある限り書き込んでおきます。

 

○荒木ETSURO(アラキエツロー)
アートビデオの夢流軍団メンバーのひとり。この軍団は他に海野TODO、村上RYUJIがいます。共通して言えるのは夢流ZOUの演出手法を忠実に守っていて若干フェチ色の強い作品が多いこと、責めはそこそこ充実していること、センスの悪い音楽の多用でしょうか。ただ、荒木、海野、村上の3人の違いが良くわかりません。「悦虐の堕天使 玲18才」(片瀬あきら)は女優も責めも悪くない作品でしたが、ハンディカメラの多用で作品を壊していました。まぁ、余計なことさえしなければそこそこの作品を作る実力があることも共通した特徴でしょう。
【その他の代表作】「女校生飼育手帖 悦虐の堕天使みほ18才」(秋山みほ・秋山の魅力が良く出た作品で支持を得ていますが、個人的には秋山が生理日[しかも多い日]の撮影で好きな作品ではありません)
【格付け】B

 

○石川欣(イシカワキン)
SMでは奇譚クラブで主に活躍。ナオミや結城綾音の主演作は殆どこの人の作品です。真性マゾの主演作ばっかり作ったせいか、シネマジックの作品でも主演女優のマゾ性を強調する作品が目立ちます。「奴隷女教師」では秋野しおりのモノローグ「私はマゾ教師」というテロップが何回も流れ、作品をタコにしてしまいました。最近ではシネマジックの2時間ドラマ「ボンデージ・ウォーリアーズ」を監督し、そつのない演出を見せてくれましたが、男優の顔が映りすぎでした。テロップの氾濫と男優のアップを自粛してくれれば、良い監督になるかもしれません。
【その他の代表作】「マゾは密かに燃え上がる」(小室りりか・責めも充実した良い作品と思いますが、小室の蟻のとわたり[性器とアヌスの間の部分]が延々と映ります。あれは何だったのでしょう)
【格付け】B
(とりあえず悪代官さんのコメント)
緊縛忍法帖の初作「くノ一狩り」が、石川欣の作品であるというのをすっかり忘れていました。ドラマ仕立ての作品を作るのも好きなようです。
「背徳の痴戯」は、年老いた小説家とその妻、そして若い編集者の人間模様を描いた作品で、イメージカットを多用しながらも起承転結が進んでいきます。
この作品はシネマジックで制作され、大洋図書から発売されました。したがって、大洋図書としては珍しく鞭も蝋燭も出てきます。しかも…鞭は平手から濡れタオル、そしてバラ鞭へと、また、蝋燭は天井から何本も吊るし、その下に女をうごめかせるという工夫をしています。
主演は姫ゆりであるからして、縛られただけでブルブル震えたり、鞭や本番の後ではピクピク痙攣したりしています。しかし、姫ゆりとしては、責めも反応もなんとなくおとなしめという印象を持ちました。
「くノ一狩り」も「背徳の痴戯」もM女性を表現したものではありません。(姫ゆりのほうは鞭打ちのとき、思わず「もっと」と言ってしまっていますが)彼は、こういう系統の作品も作るんですね。
【格付け】一般的に、B 評価の監督にはコメントがつけにくいです。彼もそのクチ。

 

○海野TODO(ウンノトド)
アートビデオの夢流軍団メンバーのひとり。荒木ETSURO同様、たまに余計な演出をします。「桃尻監禁魔」は水原未玲という非常に色っぽい女優を使った作品ですが、肝心のバイブ責めのシーンで全頭マスクを被せ、表情を完全に隠してしまいました。しかし、余計なことをしなければ傑作も作ります。昨年の私選SMビデオ第5位の「女子大生被虐花」は成瀬美穂の魅力が存分に出た傑作でした。荒木ETSUROよりもタコビ打率は低いと思います。
【その他の代表作】「犯乳病棟奴隷ナース」(岩下祥子/野村理絵 オーソドックスなSM劇で岩下祥子の清楚な魅力が良く出ていました)「奈落の咆哮」(野村理絵/仁科優 野村理絵のバイブ責めは迫力がありました)
【格付け】A

 

○大沼栄太郎(オオヌマエイタロウ)
主にシネマジックの明智モノを監督しています。明智モノですから責めもきつく、SMビデオとしてはハズレがあまりありません。女優が好みであれば、まず見ても安全な監督と思います。責めはきついのですから、ドラマ性が伴うと森原由紀主演の「奴隷秘書」のような傑作が生まれます。この作品はギルガメに登場するようなアイドル的美人女優を号泣するほど責め、しかもドラマとしても良くできていました。最近は年に数本発表するに留まっていますが、最新作の「喪服奴隷」(池野瞳/紺野沙織主演)は期待しています。
【その他の代表作】「若妻監禁・明智責め」(かわいらしい松本祐希が容赦ない苦痛責めに号泣します)「生贄のキャンペーンガール」(星崎るな唯一のSM作品で、バイブ責め、股縄責め、蝋燭責めと明智の責めが楽しめます)
【格付け】S
(とりあえず悪代官さんのコメント)
シネマジックの「チャイナドール3」(メイファ)では、養蜂家という設定が女を飼うという雰囲気をうまく引き出していたと思います。
そういった基本的な脚色にはなかなかのものがありますが、責めの場面などの細かい演出は凡庸で、ほぼ縄師の明智伝鬼任せという感じがしないでもありません。
もし、明智と組んでいなかったら、高評価を与えてくれるファンの意見も少し違ってくるのではないかと考えられます。
したがって個人的には、明智伝鬼とのラインを築いているのが奏功、としか言いようがありません。
【格付け】明智に感謝しろよの B+
●やはり明智伝鬼とのラインを持つ監督に桜田伝次郎がいます。彼は、どこかのSMの会での明智の先輩らしいのですが、そこから考えると、大沼栄太郎も何かそうしたつながりがあるんでしょうか。

 

○川村慎一(カワムラシンイチ)
シネマジックの「生贄の季節」(島崎里矢)「被虐の女戦士1・2」(栗田もも他)「奴隷姉妹3」(小野美晴・篠原真女)という傑作を世に出した監督で、個人的にはもっとも安心できる監督です。ドラマを重視しつつも責めもおろそかにしないという点では秋山豊に通ずるものがあります。ただ、タコビがないかというとそうでもなく、一般的にビッグネームが主演する監督作品はほぼ間違いなくタコビデオとなります。「ボンデージドール」では川村理沙がラバーウェアを着せられ鞭責めを受けるなど、ビッグネームを大事にしすぎました。(しかし、これは監督の責任ではなく、シネマジックの問題ですね)
一般的に川村慎一監督で、女優はビッグネームまでは行かないがAダッシュ級の美人女優である場合は(雨宮琴とか篠原真女クラス)、まず満足できる作品になると思います。女優のかわいらしさを表現するのも得意で「ある愛の密戯」での大石ひかるの頭の足りなさそうな女の子の演技のすばらしさは彼の演技指導に負うところが大きいような気がします。
【その他の代表作】「背徳淑女」(瞳リョウ・ビッグネーム主演=タコビの法則が理解できる作品でした)
【格付け】S(ただし好みの女優であっても、ビッグネームの場合は失望させられる可能性大)
(とりあえず悪代官さんのコメント)
10年前は気鋭だった川村慎一も、最近では大御所と呼ばれるようになりました。
十年一昔とはよくいったものです。
彼の作品は総じてテンポがよく、変なところでだらだらと時間を使ったりしません。
特に導入部のスマートさは天下一品と思います。
ビデオを入れてから短時間で、かつ無理なく最初のクライマックスシーンを見ることができるので、おかずとしておいしいものを提供してくれることでしょう。
90年ごろまでは、「背徳のラビリンス」(君島愛)や「背徳淑女」(本庄美樹)のようなフェティッシュなものも作っていましたが、ご存知「生贄の季節」をターニングポイントに、ハードでスリリングな作品を多く出すようになりました。
10年前の作品がいまだに代表作であるのは、現役の監督としてはどうかと思う反面、10年も語り継がれるような作品を世に送り出した人物であるということもまた確かです。
シネマジックの分巻ものも彼が最初だったと思いますし、ロックバンドの兄ちゃんを起用するというような実験っぽいこともやっていましたね。幅の広い監督です。
【格付け】A

 

○河津紳介(コウヅシンスケ)[とりあえず悪代官さんの評価]
昔、シネマジックの作品を監督ごとにダイジェストにした「いきなりクライマックス」というビデオが大洋図書から出ていましたが、そのとき、川村慎一、吉村彰一、石川欣と並んで作品集を出していたのが、この河津紳介です。
嘆かわしいほどの大タコビは見られませんが、保存しておきたいというような傑作にもなかなか出会えません。
「巨乳ハンター」(三井彩)には、襲いかかって縛るシーンなんかもありますが、なんかこう、ピーンと張りつめたものがないんですよね。「ボディコンハンター3」(川島ともみ)も、電話で知り合った男女がSM行為に及ぶという設定の割には緊張感なく、淡々と進行したように思います。
彼の作品に特徴的なのは、足指フェラが頻繁に出てくることでしょう。普通のフェラでは女の唇や舌の動きまでモザイクで隠れてしまうので、それを補うためのサービスなのか、それとも、彼自身の趣味なのかは分かりませんが、またかと思いながら見ています。
また彼は、レズというか連縛というか、女がふたり出てくるものもよく手がけています。お得用かというとあながちそうでもなく、なんとなく中途半端なものが多いので、これも自身の趣味なのかもしれません。
【その他の代表作】朝比奈樹里を使ってシネマジックから「玻璃の娼婦」、大洋図書から「魔性の館」を、いとうしいなでもやはり、シネマジックから「巨乳隷嬢」、大洋図書から「巨乳の残り香」を、という出し方をしています。
【格付け】B

 

○斉藤茂介(サイトウシゲスケ)
個人的には好きでありません。演出が粗く、彼の監督作品の中では女優が死んでしまっているような気がします。監督がいかに大事かは「汚された堕天使」と「蛇縛輪姦」で相原ルミの演技を比較すれば判ります。またビデオの中に斉藤監督の演技指示の声が残っている作品もあります。「汚された堕天使」で小野美晴がバイブで責められるシーンで斉藤の声で「速水さん、もうイカせちゃってください」という声を聞いたときは驚きました。少しは秋山豊や川村慎一を見習った丁寧な作品を作ってもらいたいと思います。ただし、彼の作品にはバイブ責め、蝋燭責め、鞭責めといわゆるSM三種の神器がたいてい登場しますので、一応抜けることは抜けると思います。監督作品は多く、月に1〜2本は発売しているのではないでしょうか。アートビデオの掲示板(今はない)に斉藤監督の悪口を書いたら、管理人さんから「彼もがんばっているのだから暖かく見守ってやりましょうよ」とレスをもらいました。このレスを見て、西村はキレてしまい、「早いとこ引退してもらいたい」とさらに悪口を書いたら、そこの常連さんから「場を乱す」と怒られてしまいました。
【その他の代表作】「震える女体」(篠原真女と速水健二の密室でのSMプレイを描き、斉藤の演出する余地のなかった作品です。皮肉なことに、そのために却って面白い作品となり、昨年の私選SMビデオベスト10に入選しました)
【格付け】Dですが、目を覆いたくなるようなタコビデオもないというのも特徴です。

 

○ダーティー工藤[とりあえず悪代官さんの評価]
縄師を兼任し、自ら男優(というほどのものでもないけど)として出演もします。
ビッグモーカルにダーティーというオリジナルレーベルを持ち、その他のメーカーにも時折現れるようです。
ハンディーカメラを使ったプライベートビデオのような作品が多いのですが、顔出しNGの素人を平気で起用する感性の持ち主でもあります。
ノアールの「素人娘密猟地帯」シリーズは、責めのパターンは豊富ながら、女の表情が窺えず、不満ばかりが積もる作りでした。また、ダーティーレーベルには顔出しのモデルを使いながら、わざわざ目隠しをしている場面もあります。
日本のビデオで顔を隠してしまっては、もはや見るところがないと思うのですが…。
「先天性緊縛中毒」では、自分以外にもうひとり男優を用意して、ストーリー仕立てにしていますが、タイミングはずれるわスタッフは映るわと、まるで学芸会でした。
そういえば、ゴールドマンと組んだビデオ(こちらの監督はゴールドマン)でも、安易な設定でおちゃらけをやっていましたっけ。
「ほーらほら、んー?」と、壊れたレコードのように繰り返す、責めのときの声も気になります。ほかの台詞もたいてい10回は繰り返していて、惰性で責めている感じが拭えません。
各シーンをぶつ切りに繋げた編集からして、ストーリものは無理と思っていたら、最近になってインディーズに、責めのジャンルを細分化したオリジナルレーベルが誕生しました。彼にはこのほうが向いているでしょう。
【格付け】素人ものでなければ B と言いたいところですが、これまでに見たものはすべてタコビでした。ここは厳正かつ公正に C
(やまやさんのコメント)
ダーティー工藤については、私も全く同じに思います。
>「ほーらほら、んー?」と、壊れたレコードのように繰り返す、
悪代官さんのこの表現ですと、ダーティー作品を見たことのない人は相手役の女の子に対して、優しく言っている(気を遣いながら、徐々に徐々に上り詰める手伝いをしているような)と解釈されるかもしれませんが、実際は全く違います。
「ほら、いけっ」というような乱暴な言葉づかいばかり。(悪代官さんの「責めの時の声も気になります」とはこのことですか?)
髭ヅラ、髪の毛ボサボサ、頭にはタオルの鉢巻き。
トランクス型のパンツと、下着のTシャツ姿。
>ハンディーカメラを使ったプライベートビデオのような作品が多いのですが、
ハンディーカメラゆえに、画質が悪く、色が一定していない。カメラの位置により声の大きさが違う。時たま画面が大きくブレたり、平気で天井を向いたりする。
などなど、作品にはデリカシーのカケラもありません。
>すべてタコビでした。ここは厳正かつ公正に C
私は賢い消費者(笑)ですので、かなり前からダーティー作品と、「ABU」には手を出さないようにしています。

 

○高橋孝英(タカハシタカヒデ)
「シネマジック」では「アブノーマル女学院」シリーズで有名ですが、このシリーズはまだ見たことがありません。高橋孝英の監督で一番印象深いのはSODの「天使堕姦」です。これは井森優というテレビのバラエティに出てくるような健康的な美人女優を蹴り、ビンタ、パンチとサンドバッグ状態で責め、レイプするという作品です。ストーリーがめちゃくちゃ、演出的にも非常に粗い作品でしたが、井森優のかわいらしさと責めのきつさのアンバランスが受けヒットしました。基本的にSMの持つ淫靡さを描くよりも、女をいじめぬくことに主眼を置いた作り方のようで、好き嫌いがはっきり分かれるタイプと思います。
【その他の代表作】「コギャルバスターズ・セーラー私刑」(久保純子似で評判となった工藤綾美を徹底的にいじめぬくという作品です。責めはきついですが、個人的にはあまり興奮できませんでした)
【格付け】個人的にはCとさせて頂きます。ただし「天使堕姦」は一見の価値はあると思います。

 

○TOHJIRO(トージロー)
好き嫌いという問題よりも前に、彼の作品は今になっても理解できません。作りは神経質なほど丁寧で、責めに至る過程も理解できますが、作品を通じて流れるトーンは良くも悪くもTOHJIROワールドです。「曲馬団の生贄」は寺田弥生の迫力ある蝋燭責めシーンがありますが、女装の山本竜二がフェラチオするシーンがあり、そのシーンだけが印象に残ってしまいました。責めのシーンはフェチ的なものが多く、「女子校生緊縛」では森下くるみのアヌスを魚拓のように紙に描き、それを緊縛した森下に舐めさせるという訳のわからない責め、「背徳のフライト」では生理中の有森いずみのタンポンを引き抜き、それを口の中に入れ猿轡するという正視できない責めがありました。最近はソフトオンディマンドのSMモノの監督で活躍、女優を言葉嬲りしている太い声が目立っています。
【その他の代表作】「インモラル天使」(演歌歌手を目指す栗田もものかわいらしさ、蝋燭責めでの号泣が光っていました)「奴隷女教師」(麻生早苗。石抱き責めでの麻生のつらそうな涙が印象的でした)
【格付け】不可能
(とりあえず悪代官さんのコメント)
数年前に、テレビのトーク番組に出ていたのを見たことがあります。
顔出しNGらしく、全頭マスク(SMで使うやつではありません)をしていました。
番組は、男優や女優、それにAV好きのタレントたちとのディスカッションで、熱弁を揮っていたようにも思いますが、結局、何を言いたかったのかは記憶に残りませんでした。
フェチ的といわれる彼の責めも、私には奇を衒っただけのようにしか映りません。
「奴隷秘書16」では、日比野達郎が桜沢菜々子のハイヒールをフェラチオする場面があり、このとき桜沢に「いやん、社長、恥ずかしい」などと言わせています。日比野のほうがよほど恥ずかしいと思うのですが…。なぜか腕に包帯を巻かれた桜沢の膣をクスコで開き、ミルクセーキを流し込んでストローで飲むというような行為もありました。話が半分以上すんでから、彼女の婚約者に「この女の本当の姿を見せてやる」みたいなかたちで、ようやく麻縄緊縛が出てくるのですが、それならなぜ、そこまでにその本当の姿なるものを見せてくれなかったのでしょう。彼にとって、変態行為はすべてSMなのでしょうか。
新しいジャンルを作り出せる人かもしれませんが、作ってほしくない気がします。
【格付け】基本的に C

 

○中野敏栄(ナカノトシエ)
中野D児が登場する作品を監督する場合が多く、この人の作品には緊縛された女優を椅子に拘束して、首を天井に向かせペットボトルを口に咥えさせ、飲み干させるという責めだか忘年会の余興だかわからないシーンが頻繁に登場します。中野D児的フェチズムに忠実なのか、相沢奈々主演の「奴隷秘書」ももうちょっとオーソドックスに作ってくれたらと思いました。
【その他の作品】「白衣の性隷」(主演の森尾ひとみにスケスケの白衣を着せて、服の上から蝋燭で責めるというシーンがありました。中野D児が楽しそうに責めていました)
【格付け】C
(中野英児さんのコメント)
中野D児と中野敏栄は同一人物かと私勝手に思っているのですが、いかがでしょう??
(ダンスシューズさんのコメント)
>首を天井に向かせペットボトルを口に咥えさせ
このシーン僕もあまり好きな方じゃないけど、出てくると安心します(笑)。
(とりあえず悪代官さんのコメント)
>中野D児と中野敏栄は同一人物かと私勝手に思っているのですが、
ははは、着眼点は皆さん同じですね。
何を隠そう、私はその辺のことをネタにして書こうと思っておりました。
しかし、こうも早くネタばれしてしまっては、ちょっとペン、いや、キーボードが重くなりますね。もっとも私は、いきなり同一人物説を展開するつもりはなかったのですが…。
監督:中野敏栄、演出:中野D児となっている作品がありますので、このあたりから攻めてみて、その関係が浮き彫りにできないものかと、ぼんやり考えておりました。
ちなみに個人用の覚え書きでは、「若月が濡木の言いなりなら、こいつはD児の手下かも。」と、一応別人格として扱っています。
なお、中野敏栄は、パッケージに「Nakano Toshie」としてあるものと、「Nakano Toshiei」となっているものがあります。単なる誤植だとは思いますが、
うがった見方をすれば、普段誰も使っていない架空の名前(だからこそ読み間違いが起こる)として、同一人物説を裏付けることもできます。

 

○ハリー杉乃(ハリースギノ)
シネマジックの90年代初期の名作「ボディコンハンター4」の監督です。作品の冒頭で野村理沙の子悪魔的魅力とずるさを、野村に騙されたチョコボール向井の間抜けさを対比しながら表現し、きつい責めに持っていくという手腕は並でないと思いました。ただ寡作の人で他の作品では「奴隷女教師・背徳の旋律」しか見たことがありません。この作品も持田薫の魅力が良く出た作品でした。
【その他の代表作】「被虐のエクスタシー」(主演女優 藤岡未玖が苦手な私は見ていません)
【格付け】S(ただし『ボディコンハンター4』と『奴隷女教師・背徳の旋律』に限った場合)

 

○風吹あんな(フブキアンナ)
SMビデオファンなら誰でも知っている元美人SM女優です。「SMがなかったら発狂していた」と発言するほど(『AV女優』(文春文庫・永沢光雄著))のSM好き。出演作も「奴隷女教師」「女囚幻想」など、美しい作品が多いです。ただ、監督としての風吹については評価が分かれると思います。「百合の女教師」は山口珠里と桜木亜美のレズビアンSMを描いた美しい作品でしたが、芸術に走りすぎた印象があり、SMとしては退屈でした。「性隷の記憶」での田崎由希の緊縛姿はきれいでしたが、責めは甘いように思えました。特徴としては女性らしい繊細な映像を見せてはくれるけど、いまひとつ抜けない作品が多いということが言えるかもしれません。
【その他の代表作】「人妻のある一日」(桜木亜美・この作品はクリップ責め、鞭責め、蝋燭責めと責めが充実しています。桜木亜美のファンなら見ても損はないでしょう)
【格付け】C
(とりあえず悪代官さんのコメント)
女流監督としてデビューしたころでしょうか、テレビの深夜番組で彼女のことを取り上げていましたが、ゲストのAV女優などには評判が悪かったようです。
まあ、女にしてみれば、設定として女にいじめられるのは受け入れられるけれども、女に指示されてSMするなどというのは絶えられないといったところなのでしょう。
なんとなくモデルのノリが悪いのも、うなづける気がしました。
風吹あんなはSM女優としての経験があるため、モデルにとって何がハードな仕事であるかを知っています。そして、「モデルにとってハードな仕事」が「見る側にとってハードな責め」であるとストレートに決めつけている感じを受けます。
が、男女の感性の違いや個々の嗜好の幅を考えると、それは普遍性のある公式とは言えないと思います。
また彼女は、女性のためのAV(SM作品だったかどうかは忘れました)みたいなものを監督していたように記憶しますが、逆に言えば、それ以外の作品では、男性のためのAV作りを意識してくれているのでしょうか。あるいは、それができるのでしょうか。かなり不安です。
【格付け】C

 

○峰一也(ミネカズヤ)
80年代中ごろから終わりにかけて、黒田透と組み数々の名作を残し、日本SMビデオ界最大の貢献者であると同時に、90年代のアートビデオを駄目にしてしまった戦犯のひとりでもあります。90年代の初めからAV女優や物好きの素人を緊縛し、バイブでイカせるだけ(途中からフェラチオ、ファック、蝋燭責めも取り入れた)という作品を無数に発表しました。作品は女性へのインタビューから始まり、和気藹々とした雰囲気の中で女性が緊縛され、羞恥とか淫靡という言葉とはおよそかけ離れた世界を作っています。最初のうちは自らの顔にモザイクを掛けていましたが、自分のことをミネックと呼び始めたあたりから、ご尊顔をはっきりと映すようになりました。商品として作品を出すというよりも、SMクラブに行ったオヤヂが趣味でビデオ撮影したような作品が殆どです。こんな作品を垂れ流しにしていて、アートビデオの監督の寛大さというか経営方針の杜撰さにあきれていましたが、峰本人がアートビデオの社長だそうです。
「お嬢様愛奴・美佳」はかわいらしい望月美佳が主演することで、一応見ましたが、望月の淫乱さと峰一也の大きい顔と禿頭がやたら目立ったタコビデオでありました。
【その他の代表作】80年代には「隷奴・亜理沙」、「美畜」(小泉ケイ)、「肉ただれ」(高瀬広美)と歴史的名作を数々作りました。ミネックモノになってからは全て同じ作風で、題名も「お嬢様」「ハイソ」「淫乱」「巨乳」「美乳」「調教」「愛奴」「奴隷」という単語をアトランダムに並べただけという印象が強いです。
【格付け】文句なしのD。好みの女優が出ても、そのファンはむしろ見ないほうが良いという
     最悪の演出をします。

 

○三上るか(ミカミルカ)
SM女優として活躍後、監督業に転向しました。SM業界で働く女性を描いた「女がいちばん痛い職業」3部作を残した業績は大きいと思います。シリーズ最終作の「女が一番痛い職業・鞭娘」はお客に惚れてしまったM女ホステス(伊藤めぐみ)の哀しさを描く佳作です。上手縛りで全裸で椅子に拘束され、無防備な乳房を執拗に鞭で責められるシーンは絵としても美しいだけでなく、泣きながら「気持ちいい」と言わされる伊藤めぐみの反応も良く、SMビデオ史上もっとも美しい鞭責めであると思っています。
【その他の代表作】「女が一番痛い職業・SM女優」(原田美江への50発以上続けられる鞭責めも美しいシーンでした。ふたりの責め手が事務的に責めていること、背景が白に統一されていることで、無機質な画面を作りだし、それが成功していました。ただし、続く糸ミミズ責めは話に聞いただけで見たことはありません)
【評価】A

 

○村上RYUJI(ムラカミリュージ)
夢流ZOU軍団のメンバーの中では、最近もっとも活躍していると思います。昨年の「悦虐の緊縛人形」では工藤ひとみという非常に地味な女の子を徹底的に責め、昔の「美畜4」(小泉ケイ)を思い出させてくれました。ただ、フェチ色の強い作品も多く「縄泣き不倫妻畜生玩具」(涼崎綾香)は顔責め、鼻責めが延々と続き、性器責めが始まったら生理中だったという正視できない作品でした。
【その他の代表作】「猟奇の檻4」(麻生みく/高瀬陽子・何年か前のSMグラビアを見ているような雰囲気のある作品で支持者も多い最新作です)
【格付け】A

 

○夢流ZOU(ムルゾウ)
90年代前半から頭角を現し、今も活躍しているアートビデオ専属の監督です。黒田透と同一人物のようです(詳細は
『男優図鑑』をご参照ください)。フェチ色の強い作品も多いのですが、一方女優の羞恥心を引き出し、SMという淫靡な世界を表現するのも得意で、アートビデオの中では一番の実力者と思います。「生録女子大生奴隷調教現場」はチャイナドレス姿で緊縛された松本美樹の乳房を日本刀で責めるという導入部分に興奮しました。「インマッドネスシリーズ」として作られた大沢純子の主演作品も導入部分に着衣の上から乗馬鞭で乳房を責めるシーンがり、これもつかみが良いと思いました。最近の「奴隷堕ち」で宮沢えりが脱がされまいと抵抗するシーンを演出した手腕も見事と思います。ただ、彼自身、独特の趣味があるようで、ときどき訳のわからない音楽を流したり、良い場面で女優に全頭マスク(たとえば『課長の愛奴』(葉山美姫)で緊縛してのファックのシーンで)を被せたりと余計なことをしてくれるのも事実です。
【その他の代表作】「絶叫調教」(幼い顔立ちの麻生菜月がバイブ責めで何回もイカされ、強烈な鞭責めを受けるという隠れた傑作と思います)
【格付け】Aではあるが、ときどき余計なことをするので要注意。

 

○雪村春樹(ユキムラハルキ)
緊縛師であり、技術も高いと思いますが、でしゃばりなのか男優として登場し、かつ監督もやっちゃったりして、その殆どがタコという大阪のおっさんであります。作品の中で緊縛された女優は非常に美しいのですが、責めは靴の上から足を掻くようなもどかしい責めが続き視聴者をいらいらさせます。「サンセットカラー」という自らのレーベルを持ち、その中では女優を緊縛しては解き、緊縛しては解くという行為を繰り返しています。自らのレーベルを持っているのだからそこで遊んでいてくれるのが一番助かりますが、シネマジックにも多数の監督作品があります。「奴隷秘書」は緊縛された篠原真女が美しい分、責めらしい責めがなくいらいらしました。作品の最後で篠原への蝋燭責めがフラッシュバックのように流れてエンドマークが出るという憎い演出もありました。蝋燭責めをやったのなら、なぜ真面目に映さないと個室ビデオ屋のモニターを壊したくなりました。緊縛師であるなら責め中心の作品を作れば良いと思いますが、ドラマ派でかつそのストーリーが複雑なものが多いです。一番頭に来たのは「花嫁奴隷 被虐の初夜」ですが、これはシネマジックの新作コーナー(
新作情報100)に長々と紹介しましたので、ご参照ください。
【その他の代表作】「若妻淫刻・惑いの午後」(大洋図書の作品で宮木汐音主演。雪村監督作品では、この作品が一番好きです。バイブ責めに悶え、蝋燭責めに涙する宮木の可憐さが良く出ていました)
【格付け】もちろんCですが、縛られた女性を美しく見せるという技術は捨てがたいです。これで責めを真面目にやってくれたら名監督と思いますが。
(とりあえず悪代官さんのコメント)
スチールを撮らせたら右に出るものなしというほど、パッケージの女優は魅力的です。それにつられて買ったが、期待を裏切られたという人も多いのではないでしょうか。
もともと洋風ボンデージから出発したようで、全体に縄がけが甘く、本番直前に解いてしまうという暴挙に出ることがしばしばあります。
反面、(ボンデージの影響か)猿轡にはことのほか強く、豆絞りからボールギャグ、果ては変則的な開口ギャグまで、さまざまなアイテムを見せてくれます。
しかし、ハードな責めもなく、かといって、関西人独特のネチネチとしたいやらしさも持ち合わせていないので、苦痛系、恥辱系、いずれのファンからも絶賛されることは少ないようです。
サンセットカラーやハニーアーツといったオリジナル、準オリジナルのレーベルではせっせと荷造りビデオを作り続けています。女が縛られた状態のみを見たい人には要チェックの監督かもしれません。
【格付け】C
 

○吉村彰一(ヨシムラショウイチ)[とりあえず悪代官さんの評価]
隠れた名監督と言ってよいでしょう。ただし、このところ隠れすぎの感があります。
川村や秋山に監督を譲っていますが、シネマジックの企画ものはほとんど彼の構想によるものです。「緊縛侠花伝」、「緊縛戒厳令」、「被虐の女戦士」などの企画はもとより、「インモラル天使」や「奴隷秘書」のシリーズも立案は彼だと思います。
「女囚幻想」シリーズには思い入れがあるのか、自分自身で監督を務めているものがかなりあります。
全体に、クライマックスシーンを小出しにするイメージコラージュといった展開が多く、やや敷居が高い感じは否めません。しかし、TOHJIROや中野敏栄のようなひとりよがりの芸術性はないので、作品の一部分だけを抽出保存することに違和感のない人にとっては充分使える監督でしょう。
80年代の撮りおろしオムニバスは、はじめからパーテーションが区切られているため、小細工の余地も必要もなく、大変バランスよく仕上がっています。中でも「淫虐図鑑」はこの手のものとしては出色の出来でした。
私は、吉村彰一はシネマジック内部の人間ではないかとにらんでいるのですが…。
【その他の代表作】彼は藤岡未玖がお気に入りのようで、シネマジックから「背徳の絆」、大洋図書からは「奈落のヒロイン」をリリースしています。
【格付け】B+
(吊魚さんのコメント)
とりあえず悪代官さん、はじめまして。
監督迷監、楽しく読ませていただいてます。
>私は、吉村彰一はシネマジック内部の人間ではないかとにらんでいるのですが…。
内部の人間というか、シネマジックの社長ですよね、吉村彰一は。もともとは確かSM雑誌の編集者出身で、濡木痴夢男とはその頃からの盟友とのことです。シネマジックをここまで存続させてきたことには感謝あるのみですが、監督としては可もなく不可もなくというのが私の感想です。
もっとも、同じ社長でもSMの顔をした非SMビデオを撮り続けるアートビデオの峰一也社長よりははるかにいいですが。ちなみに、峰氏のほうはカメラマン出身らしいです。
(とりあえず悪代官さんのコメント)
吊魚さん、はじめまして。
私はいま、(酒も飲んでないのに)とてもいい気分です。なぜって…
>内部の人間というか、シネマジックの社長ですよね、吉村彰一は。
やはりそうでしたか。
こんなにすばやくレスをいただけるのは、何かの記事に基づくれっきとした事実なのだと思います。が、私の場合は知識ではなく、まったくの直感で書きました。
これが、当たっていたというのですから、こんな嬉しいことはありません。私の眼力も捨てたものではないなと思うと、ついついニヤけてしまいます。本当にありがとうございました。
>もともとは確かSM雑誌の編集者出身で、
これは、「SMコレクター」を出していた KKサン出版だと思います。
「SMコレクター」はビデオのなかった70年代に、最もお世話になった雑誌でした。
また、同社から出ていた、笠間しろう、椋陽児、ダーティー松本などの漫画全集は、現在ではかなりのプレミアがついているようです。
独立時に、やはり編集者だった中野D児を男優として引き抜いたという記事を7〜8年前に某誌で読んだ記憶があります。
(吊魚さんのコメント)
とりあえず悪代官さん、こんばんは。
ここでも何度か話題になった「僕たちのSM読本」(KKベストセラーズ)というムック本に、シネマジック代表取締役・吉村彰一氏のインタビューが載ってます。
それによると……。
SM雑誌の編集者(出版社は不明)だった吉村氏が、高校時代の同級生と2人でSMビデオ専門のシネマジックを創設したのが82年11月。第1作は「愛撫A」という作品で、男優は中野D児だったとか。初期はD児氏との二人三脚で女優の調達も行っていたが、当時、名古屋にいた菊池えりを起用して撮った「シスターL」(85年)が1万本を超える大ヒットに。この菊池えりの大ブレイクがきっかけとなって経営も軌道にのり、月1本から月産4本体制となる。その後、村西透作品でデビューした青木冴子こと樹まり子(名付け親は吉村氏)の「LOVER M」や「奴隷花」シリーズのヒットなどでSMメーカーとしての地位を確立。現在は社員25名、中野区に3階建ての自社ビルを構えるまでに成長したとのことです。
そのほか、黒木香の事務所からもシネマジックで使ってくれと依頼があったが、写真だけではピンとこなくて躊躇していたら村西に先を越され、「SMぽいの好き」を撮られてしまったなど、いろいろ興味深いエピソードが語られています。

 

○乱田舞(ランダマイ)[とりあえず悪代官さんの評価]
のっけから縄師としての話で恐縮ですが、初めて彼を見たとき、こいつは明智伝鬼の弟子かなと思いました。縄がけの厳しさなどは全然違うので、おそらく無意味な吊りをよくやっていたせいでしょう。
ライブでは、観客は同じ位置、同じ角度からパフォーマンスを見ることになるので、女を吊り上げたり、振り回したりしないとすぐ飽きられてしまいます。しかし、ビデオでは、視点の移動やズームが難なく行なえるのです。彼の作品は、こういったビデオの特性をまったく活かせていません。
だいたい、捕まえてきて縛った女を、いきなり吊り上げてくるくる回したりする男がどこにいるのか、と言いたくなります。乱田は所詮、ライブの縄師です。
ですが、インディーズ系には、彼の監督作品だとはっきり書いてあるものが山ほどあって、その内容は、大別するとふたつに分かれます。
ひとつはノンストーリーで、ただ縛ってバイブを使ったり、蝋燭をたらしたりで、絡みの必要なときは男優とタッチ交代というもの。このとき、たいてい縄を解いてしまうので、拘束になっていないにもかかわらず胴体に縄が絡みついているという非常に醜い姿を見せられることになります。
縄照など、自主制作に近いようなビデオはこのタイプです。
もうひとつはいわゆるストーリーものですが、これが思いのほかのドラマ指向で、しかも、うんざりするほどの説明過多なのです。
強淫の「完全緊縛強姦」シリーズなどは復讐系のものが多く、経緯を説明するのに10分以上かかってしまうこともあってイライラしてしまいます。
展開にテンポがなく、責めはインポ的。よく人が死ぬのもいただけません。なお、このシリーズのタイトルはまったくの嘘です。正しくタイトルをつけるなら「不完全緊縛場面+無拘束強姦もどき」となります。この手のビデオが好きな人は騙されないように注意しましょう。
【格付け】甘評にてようやく C
●縄師としての乱田舞
麻縄を使っているので一応縄師として認知しておりますが、濡木や雪村に比べてその抽斗(ひきだし)は小さいようです。
私個人的には、変則的な縛り方は好きではないので、それはそれでよいのですが、立ち縛りから片足吊り、吊り上げてくるくる回し…。あまりのワンパターンには閉口せざるを得ません。
実は、立ち縛りから片足吊りというのは私の好みのひとつだったのですが、乱田によってすっかり食傷にされてしまいました。
片足吊りは、責め手以外にギャラリーがいるときに限って、「おまえの恥ずかしいところを皆さんによく見てもらえ」みたいな台詞とともにやるとすごく効果的だと思うんですがね。
猿轡を使ったのも見たことがありません。最近になってようやくボールギャグだけは使うようになりましたが、その意味を理解しているようには見えません。

 

○若月美廣(ワカツキミヒロ)
シネマジックの監督で、これといった特徴がないのが特徴ですが、90年初から名前は良く聞きます。ムック「僕たちのSM読本」の中で彼の監督作品「仮面の花嫁」の撮影中、縄師の濡木夢痴男が勝手に演技指導をしていたことが書かれていました(詳細はLarryさんが紹介されています。
『常連さん通信7月号』をご参照ください)。大人しい人なのでしょうか。ただし、タコビだけでもなく、「暴力団新法の女・哀しみの愛奴」(3年ぶりに娑婆に出てきたら暴力団新法が布かれ、組織から疎まれるやくざとそのオンナの悲哀を描いた作品)は、加藤鷹、滝口あさ美というキャスティングが見事にはまった佳作と思います。ドラマだけでなく、ファックシーンのいやらしさ、鞭責めでの滝口の反応の良さと美しさも捨てがたく、見ても損はないのではないでしょうか。
【その他の代表作】「奴隷秘書」(沢山涼子・複雑なストーリーで、男優 奈加あきらのアップが多すぎました。これも奈加あきらが勝手に演技指導をしたためでしょうか)
【格付け】C

 

 

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